高齢化社会を見据えてタイが行なったこと
プミポン国王が今年2017年に逝去されたタイ。国王、王族の方に接する医師や看護師のみならず、リハビリテーションの専門家である理学療法士も、限られた最高学府の出身者でなければならないらしい。
これが、タイを救うと、誰が予測しただろうか?
どの国でも、栄養、衛生状況が改善し、生産性が向上したら、高齢化は免れない。
いい事だ。
しかし、加齢は医療費を増やす要因であることに間違いない。
国民は皆安い医療を受けることができるのが、タイ。しかし、病気から障害に至った場合、いくら安いとはいえ、医師の診療を賄うわけにはいかない。
そこで、理学療法士に簡便な医療スクリーニング検査を行なう権利を与え、医師の診察がない理学療法士を受診できる、理学療法士のみによるリハビリテーション所を最高学府に作らせたのであった。最高学府であるところが、ミソだった。彼らは、医学的に問題ありと気づいたら、きちんと医師に相談、受診させ、レントゲン写真を取るよう要請している。オーストラリアしかりだ。
しかし、世界最大規模の理学療法センターは日本の大学病院並みの大きさと、研究、検査機能を持っている。
ざっと計算しても、例えば、脳卒中のリハビリテーション医療のコストが、現行の日本でリハビリテーション医療に費やされる費用の20%程度になる。
これだと、やって行けるだろう。
日本の厚生官僚の北米志向、医師会の既存権益が立ちはだかる日本では、不可能に近い。
アセアン、恐るべし。
日本のリスクは、この医療社会主義が、医師の護衛にしか、なっていない点にあるのだ。
例えれば、東大、京大出身の看護師や理学療法士ならば、独立開業が許されるような、ある意味 、差別化がなされ、社会がそれを良しとするところが、タイにはあったと言うことだ。
この巨大な理学療法センターのエレベーターはシンドラー社のものだった。