足るを知らない事を利用するマネージメント
人間集団の特性は一様ではない。そんなことは、言われなくても分かっている。しかし、自分だけは、そう簡単に騙されないと思うものだろう。
マーケット、市場とは集団のなす場そのものだ。無作為な集まりならば、生まれついた能力や、顔形を数値化したものを並べてみれば、正規分布すると考えるのが、自然だ。
そこで、無意識に刺激に反応するパターンを持つ人間がどれ位いるか?を推定すれば、おおよその振る舞いを生じさせる何かを見つけることで、一定のコントロールができるというものだ。
食欲、性欲、睡眠欲、など本能と呼ばれる欲求を捕まえた商売に外れはないだろう。
大切なことは、人間の健康を害する、要因と、その影響の程度を見極める事だ。
足るを知り、貪りを知ることが、マネージメントする側には特に求められる。
市場経済は限界があるかもしれないが、それは人間の限界ではなく、更に知恵を絞り出して行くことが求められている、ということだ。
SEIKOが見落としていること それは
2016年はSEIKOの利益が95%減少したとされる。その理由をアナリストたちは、和光という直営店の赤字が原因だとしている。
しかし、それはローレックスと比べてみれば一目瞭然、背景環境を考慮していない分析のように思える。
解りやすい例を示すと、二次価値が保たれていないことが。最大の要因だと私は思う。
オークションや、質屋で、どれほどの価格が付くか、SEIKOのブランディングチームは考えていないか、無視しているように思える。
高級とは、万が一、平時から戦時になったとき、その中でさえ、通用する価値があるものだ。
食えなくなったとき、頼りになる金品と交換するレートが高く保たれると、誰もが思えるものだ。
金やプラチナに並んで、その交換性が高いものでなければ、ブランドにはならない。
しかも、世界で。
交換性を担保するのは、堅牢かつ美しく、機能を果たし、リペアがいつでも可能な環境の徹底だ。
グランドセイコーも、追従しようとしているが、50年経っても、古さを感じないデザインと機能を持たせることができるか?
答えはNOだ。
クォーツの精度を価格に反映してこなかったのは、彼等の失敗だ。
50年変わらぬデザインを、再考すべきだろう。
復活を祈る。
クアラルンプールの群雲
その日、クアラルンプールにいた。そして、恐らく、彼の乗った救急車を目撃した。その先に病院があり、近くにある施設があった。
私は、その施設に用事があった。まさか、そんなことが起きるとは思っていなかった。
しかし、哲学は常に真実を考察する。生は死と、紙の表と裏の関係なのだ。それを俯瞰すること、考える前に成立していること、現象を観察する力こそ、真実への道なのだ。
何が起ころうと、それを俯瞰することだ。しかし、自分を楽しまねば、損だろう。
ブキビンタンのあるレストランの食事を愛した理由は、遥か母の味を求めた本能からだったか?
マレーシアの混沌は、歴史のクロスロードを支えている。
ヒラリーの敗因、IBMワトソンの弱点
予想が当たって、トランプ大統領が誕生しそうだ。
シカゴで聞いた話も、サンクト=ペテルブルクで、アメリカの研究者から聞いた話も、一度咀嚼しないと、予測には使えなかった。
データは、解析的には三つに分解できる。
解析対象の要因では変化しないと考えられる平均構成部分と、要因に反応する変動部分、それら以外の変動部分としての誤差部分だ。
しかし、人間の態度、行動は理性だけでは成立しない。思い違いや、悪意にはベクトルがある。このベクトルが、確率を狂わすのだ。
衣食足りて、礼を知るのが、人間らしい。
今、北米は衣食が足らない。人の道が塞がっている。
健康情報が流れ、皆、気にしている。にもかかわらず、安価なジャンクフードと炭酸飲料しか、第一選択肢に入らない人が、ワンサカいる。
やはり、誰が、何処で得をしているのか?
人々の焦りと、諦めと、僻みは、アンケート調査のバイアスだ。この紐付けが、出来なかったワトソン。ペッパー君と数分会話してみれば、分かる、人工知能の善人さ。
悪を、もっと研究しなければ、いけない。言葉と裏腹に行動するものが、人間だから。将棋で負けても、まだ、人間勝負界ではコンピュータには負けない。
TPPの後先に方程式の予測式 シカゴレポート
喫緊、シカゴでマンウオッチをした。真面目なアメリカ人の過ごす典型的な街だ。
ニューヨークやロスにはない、アメリカ人の生の姿があると、私は感じる。
大統領選は、街のマイナー層に聞けば、トランプが優勢。退役軍人も、黒人のサービス業従事者も、そう言う。ヒラリーは信じられないと。
さて、シカゴで見かける車は見事にトヨタ車が多く、バスの行き先にトヨタの工場と記された奴が、そこら中に走っている。
もう、日本車叩きはないと見た。馴染んだのだ。
もう一つ、アメリカらしいものを見つけた。糖尿病だ。これは、日本では知られていないだろう。血糖値を測る器械はTPP管内、売ってない国はない。
しかし、HbA1Cを自分で測る器械は?答えは、アメリカでは50ドルで2回測れる、使い捨ての器械が販売され、直ぐ、売れ切れる。
患者の知識は、日本人より平均すると高いのではないか?それが、一回、100ドル位かかっていた検査が、半額になって来た訳だ。
日本の医療産業、産業的医療である開業医の振る舞いが、歯科医療のようになるなんて、現時点では誰も思うまい。
ドル箱の生活習慣病に頼った産業におけるイノベーションに追いついている者だけが、生き残って、ブルーオーシャンを泳ぎ切るのだろう。
この辺を察知して、例えば、新しいデバイスの販売網と、サポート体制を他社に先駆けて作るための、イメージと需要予測のモデルが必要不可欠だ。
団塊世代は健康恐怖症だ。医療コストにも敏感だ。新産業として、専門家しか出来なかったものをDIYして、顧客に売るシステムは、黒船に乗って、そこまでやって来ている。
因みに、器械は中国製、おそらく深セン発。
このメーカーはアジアでは、家庭用医療機器ではオムロンを抜く勢いで成長している。シンガポールに支社を構えている。
その昔、PC9801というパソコンをNECが販売していて、個人や中小企業ではNECと言えば、コンピュータの代名詞だった時がある。
身近な病気の診察は、近所や職場の診療所で、医師しか出来ない検査と投薬処方があって、この体制にドップリ浸かっているのが、日本の医療行政と産業従事者だとすれば、、、
足下に忍びよる、革命の速度を、方程式の1係数に加えて置くべきだ。その速度は、フィールド観察で測れる。
シカゴは、ERの舞台とも言われる街だ。
TPPがもたらす、日本の医療保険の支出抑制に効く薬はDIYしかないだろう。
情報を征する者だけが、恩恵を預かるのだろう。
SMAP考 40代の可処分所得の低下
SMAPの騒動には個人的には興味はない。
しかし、温泉地で学んだマーケティング感覚から見立てると、SMAPに金を出せる層の可処分所得の著しい低下があると見ている。
商売の基本は、金を出す客のサイフの柔らかさの見極めだ。
感傷的に、または保続的な観念は、絶えず流れる商売には、功罪をもたらす。
大学生を抱えた途端、同窓会の二次会には出られなくなる女性が多いという。同窓会自体への参加さえ減るのは明らか。
50代の男性の可処分所得もあやしい。
懐かしもので、商売しても難しいだろう。
小学生向け商材が、日本では岩盤だ。
勘ではなく、観察に基づき、ベイス的に考えてみることが大切。
また、古い統計手法の組み合わせで、損益分岐点ばかり見ていてもダメ。
最尤法を駆使して予測式を作っても、不十分。
観察こそ、大切。思い入れと思い込みは違う。
草津の温泉地では、かつて隆盛を誇った老舗旅館は衰退し、観察に基づき、商品を入れ換えた、経営者がいた旅館だけが、勢いがある。
これを肌感覚で身に着けることが肝要だ。
6歳でビンを拾って飢えをしのいだ日々
貧乏を楽しむなんて簡単に言えない。
飢えを子供の頃経験しているからだ。
いろいろな事情がある。
雪国で、木枯らしの中、父も母も全く金が無く、死んじゃおうかとつぶやく中、裸足にビニールの長ぐつで、あばら家を自ら飛び出してはビンを拾って稼いだ。
私の原点だ。
ビンがコロッケに、ハムカツになって、食パンになる。それが原点だ。
家族が飢えないようにそれだけだ。
キャッシュフローが大事だと、孫さんは言った。この感覚こそ生き続けられている源泉かも知れない。